大相撲や鉄道、アニメなどに詳しい、深夜の報道・情報番組のキャスターを勤める才色兼備と言えば、モデルの市川紗椰さんです。
市川さんは、自宅に様々なロボットアニメのプラモデルなどを収集していることで有名です。特にガンプラに関しては、モビルスーツ「ネモ」を旧国鉄風のテイストに着色して、エウーゴと国鉄が共同開発した「ネモ003系」として「ガンプラEXPOワールドツアージャパン2016」に出品したりと、大変な力の入れようです。
そんな市川さんの家宝は、テレビ朝日系の深夜番組「タモリ倶楽部」で発行された「タモリ電車クラブ」の会員証とオーラバトラー「ダンバイン」のフィギュア(1983年製)なのだそうです。
「ダンバイン」とは、「機動戦士ガンダム」で知られる富野由悠季さんによる1983年のTVアニメ「聖戦士ダンバイン」に登場したオーラバトラー(モビルスーツのような巨大ロボ)のことです。
この「聖戦士ダンバイン」という物語は、1983年の吉祥寺に暮らす主人公の青年ショウ・ザマが、突然に、乗っていたバイクごと海と陸の間にある世界「バイストン・ウェル」へと召喚されてしまうことから始まります。
「バイストン・ウェル」は、妖精やユニコーンが暮らすファンタジー小説やRPGのような中世ヨーロッパ風の世界で、バイク好きの普通の日本の青年であったはずのショウは、ここでは「聖戦士」と呼ばれてしまうのです。
異世界で急遽「聖戦士」となったショウは、「バイストン・ウェル」での戦乱に巻き込まれる形で、剣と、そして、オーラバトラーで、「バイストン・ウェル」を武力で支配することを目論む勢力と戦うことになるのです。
環境の急変にも関わらず、吉祥寺の青年・ショウは、「バイストン・ウェル」での自分の役割に目覚め、「聖戦士」としてたくましく成長を遂げます。そして、仲間たちの信頼と絆を背景に戦い抜くのです。
もし、あなたが主人公の青年であるとして、バイクに乗るという日常の一コマが、海と陸の間にある異世界という非日常への入り口になってしまったとしたら、どう立ち居振る舞いますでしょうか。
ひょんなことから「バイストン・ウェル」に召喚されて、急遽、「聖戦士」になるなんてことは、勿論、現実の社会では絶対に起こりません。
しかし、従来の常識や固定観念、大方の予想、既定の路線などを覆す想定外が発生し、非日常に近いくらいの激変に巻き込まれる可能性なら、現実の社会にもあります。
筆者の経験では、1995年に発生した阪神・淡路大震災が忘れられません。神戸周辺は地震が少ない地域だと考えられていたのですが、1月17日の早朝のことでした。突如として、これまでに味わったことの無い、まるで爆発のような揺れに見舞われ、頑丈なはずのビルなどが倒壊し、大勢の方が命を失いました。
筆者は、地震発生の直後は、何が起こったのかがなかなか理解出来ず、明るくなってから、覚悟を決めて街中を歩き回りました。落ちた高速道路や骨組みだけになったアパート、埋もれた誰かが助け出される瞬間を目の当たりにして、前日までの当たり前がもう無いことを理解したのです。
想定外の「思わぬ展開」は様々な要因によりもたらされる場合があります。天変地異、政治的決定、技術革新などをトリガーに、従来の常識はこれまでに何度も覆っています。
弱肉強食といいますが、強ければ必ず生き残れるのではありません。かつて地球の覇者であったはずの恐竜たちは、環境の変化に適応できず滅びました。その一方でゴキブリは今も現役です。強者ではなく、適者が生き残ります。
天変地異と言えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災も我が国にとって大きな転機でした。津波で街が消える、多くの方が亡くなる、原発が壊れるなど、この日も、前日までの当たり前が、悲しいくらいに損なわれた日でした。
自然災害に限らず、事故や病気、リーマンショックなどの経済的なクラッシュ、政権交代、法改正、テロや戦争の勃発、技術革新などによっても、あなたを取り巻く環境が突然に変わってしまう可能性があります。
そして、その度に、想定外の「思わぬ展開」が発生する可能性があり、あなたや家族・友人などが、命を落とす、仕事を失う、事業が傾く、資産を失うなどのリスクに晒されます。
また、サラリーマンなら、経営者や上司の交代などによって、事業の方向性や人事評価が変わり、あなたのポジションが危うくなるなんてこともないとは言えません。
この世は実に諸行無常です。しかも、その変化があなたにとって有利に働くとは限りません。変化があなたの敵になる場合なんて、いくらでもあるのです。
では、この諸行無常の世の中で、どんな環境の変化にも負けずに、生き残るにはどうすれば良いのでしょうか。
一つ目の解決策は、強くなることです。徹底的に強くなり、会社で言うと、業界最大手になるくらいの努力をすれば、相当な確率で生き残れることでしょう。
しかしながら、例えば、ダンスのCMで知られていた消費者金融の最大手だった企業は、利益の源泉だったグレーゾーン金利を否定する判決が出たことがトリガーとなり、破綻に向かいました。
歴史を紐解くと、一見して強そうな国家や企業などが滅びた例というのは、1つや2つではないことに気づかされます。つまり、強さは確かに生き残るために必要な要素ではありますが、そうであるからと言って、必ずしも、あなたの生き残りを保証する「切り札」にはならないということです。
そこで、当サイトでは、強くなることに加えて、環境に合わせて柔軟に自らを変える能力を高めることをお勧めします。
かつて米国と覇権を争い、東側諸国を率いたソ連は、一見して強そうな国家が崩壊した顕著な例です。共産党独裁体制で大国に成長しましたが、柔軟に自らを変えることができず、内側から崩壊していきました。
環境への適応で成功を掴んだ例と言えば、日米のプロ野球で活躍した長谷川滋利さんです。
長谷川さんは、野茂英雄さんのトルネード投法などのような分かりやすい武器を持つ選手ではありませんでした。そのせいか、メジャー移籍を望む長谷川さんについて、メジャーでの活躍について否定的な意見が出ていました。
しかし、多くの日本人メジャーリーガーが数年程度で撤退していく中、長谷川さんは約9年もの長期間、メジャーリーグという、厳しい世界で活躍したのです。
メジャーリーグの試合に出場できる方は、いずれも一流です。長谷川さんも、日本では立命館大学からドラフト1位でプロ入りし、先発投手として活躍し、新人賞を獲得しました。
そんな、長谷川さんでしたが、メジャー移籍後は先発に拘るのではなく、手に入れた環境で自分が活躍できる役割を探し、中継ぎに活路を見出したのです。
また、メジャー移籍が決まる何年も前から米国で生活すると決め、英語を学ぶなどの周到な準備をし、来るべき時に備えていたことでも知られています。
転職などのように、意識して環境を変える場合もあることでしょう。しかし、あなたを取り巻く環境というものは、あなたが気づかぬうちにも変わり続けているのです。
環境が変わり、あなたの「勝利の方程式」が、通用しなくなった時、あなたは起業家(アントレプレナー)としてどう立ち居振る舞いますでしょうか。
5年後の生存率15%未満、10年後の生存率7%未満、20年後の生存率は1%未満という起業の現実を跳ね返し、生き残るためには、強くなるだけでは足りないのです。
コメントを投稿するにはログインしてください。