「金のエンゼル」なら1枚で、「銀のエンゼル」なら5枚で「おもちゃのカンヅメ」が貰える。この仕組の為に、幼い頃、森永製菓の「チョコボール」のロイヤルカスタマーだったという方は結構おられるのではないでしょうか。
この「チョコボール」の「金のエンゼル」と「銀のエンゼル」がちびっ子に「おもちゃのカンヅメ」という幸せをもたらすように、エンゼル(天使)は幸せの象徴です。
しかし、同じ天使でも、「黒い天使(ブラック・エンジェルズ)」は、表向きは自転車で旅する好青年でありながら、その実体は自転車のスポークを武器にして「法で裁けない悪」を闇に葬る殺し屋でした。
少年にとって毎週の購読が半ば必修科目だった時代の「週刊少年ジャンプ」に掲載されていた漫画家・平松伸二さんの作品「ブラック・エンジェルズ」 は、主人公・雪藤洋士が闇の暗殺者として活躍するハード路線の勧善懲悪ストーリーが魅力でした。
「自転車」、そして、「闇」といえば、中小・ベンチャー経営の世界では、「自転車操業」と「闇金融」が想起されます。
「闇金融」とは資金調達のネタを使い果たし、資金繰りに行き詰った社長が最後に手を出す非合法の金融業者です。いわゆるトイチ(年利365%)の世界なのですが、不渡り回避のために藁をもすがる思いで融資を受ける方がいるのです。
「不渡り」とは、手形交換所に持ち込まれた約束手形や小切手が当座預金の資金不足により決済できないことを言います。では、なぜ資金繰りに行き詰った社長はこの「不渡り」をそこまで恐れるのでしょうか?
それは、「不渡り」を出すと、その情報が全ての金融機関に周知されてしまい、金融機関からの運転資金の調達が事実上不可能になってしまうからなのです。また、6ヶ月以内に2度の不渡りを出すと、銀行取引停止処分になってしまい、2年間もの長期間、当座預金を用いた決済や融資を受けることが全く出来なくなります。
要するに、事業をやっていく上で必要な機能が損なわれてしまい、その時点でゲームオーバーとなるのです。ファミコンと違ってリセットボタンなんてありませんから、本当に終わりになります。
そんな崖っぷちの社長にお金を貸す場合があるのが、「闇金融」と呼ばれる金融業者という訳です。
しかも、そういう金策で多忙なお客さんに後で金利を払うという手間をかけさせないように配慮してなのか、100万円を借りるとして、金利相当の10万円を予め引いた90万円を渡してくれる金融業者もいると聞きます。
この世界の参考資料としては、漫画家・真鍋昌平さんの作品「闇金ウシジマくん」が良くできていますので、ご一読なさってはいかがでしょうか?
でも、本当に非合法の「闇金融」にお世話にならなければ「不渡り」を回避出来ないのでしょうか?
「リセットボタン」や「ふっかつのじゅもん」があれば中小・ベンチャー経営はもっと楽になります。ドクター中松さんに発明して貰いたいですね!
危なくなったら思い切って「ジャンプ」して、不渡り回避という勝利を掴みましょう!
実は、不渡り回避のための合法のテクニックがあります。
それは、「ジャンプ」です。
もちろん「週刊少年ジャンプ」を読んで何かヒントを得ろというのではありません。「手形ジャンプ」をするのです。
要するに、約束手形や小切手を渡した取引先に頼んで、別の日付を入れた新しい約束手形や小切手と交換してもらう、または、日付の訂正をさせて貰うのです。
しかしながら、この「手形ジャンプ」をさせて貰うにも、取引先との普段からの良好な関係がなければ、やらせてもらえるはずもありません。
結局は、不渡り回避という「勝利」を手に入れるにも、取引先との普段からの良好な関係により築かれた「友情」と、取引先に頭を下げて頼み込む「努力」が必要不可欠なのです。
小学生の頃、学校の先生たちには、漫画ばかり読まないで夏目漱石や芥川龍之介の文学作品も読めなんてよく言われたものです。でも、「吾輩は猫である」とか、「或阿呆の一生」とかって、今のところあまり役には立っていない気がします。
でも、「週刊少年ジャンプ」に流れる「友情・努力・勝利」というテーマは、大人になってから、実務上、十分に役立つということなのです。
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