皆さんは、「夢」と「志」の違いって何だとお考えでしょうか?
一代にして時価総額10兆円規模の「ソフトバンクグループ」を作り上げた起業家(アントレプレナー)・孫正義さんの座右の銘は「志高く」なのだそうです。
大きな成功を収めた孫正義さんであっても、最初から現在のソフトバンクを手に入れていたわけではありません。
ソフトバンクの創業時は、会社とは言っても、本人の他は若干名のアルバイトという状況で、雑居ビルの一室でそのアルバイトたちを相手に「10年で年商500億の会社にする」と大きな目標を語っていたのだと言います。
しかも、そのアルバイトたちは、この大きな目標を荒唐無稽と感じたのか、会社を去ったとも言うのです。
その後の成功は誰もが知る所ですが、始まりはソフトバンクであっても、他の起業家(アントレプレナー)たちと大差は無かったとは思いませんでしょうか?
「志」も無いままに、己の願望の為に「世界一になる」とか「上場する」とか大きな夢を語った所で、そのようなものは「法螺」を吹いているに過ぎません。薄っぺらいあなたの夢の為に、賢明な他人が、命がけで働いてくれることはありません。
もし、違いがあるとするなら、孫正義さんには、「デジタル情報革命で、知恵と知識の共有を推進し、人類に貢献する」という熱い志があったのです。
筆者には、孫正義さんが、いつ頃から、この志を言語化して鮮明に描き、他人に伝えていたのかは分かりません。
しかしながら、確実に言えることは、孫正義さんは、「金持ちになってフェラーリを何台も買おう」、「有名になって女にモテまくろう」、「他人を働かせて自分は楽しよう」などという類のつまらぬ夢の為に、誰かの答案をコピーアンドペーストしたビジネスを立ち上げるような、薄っぺらい小金持ちを目指していたのではないと言うことです。
孫正義さんは、無名の若者だった頃から、トイレや道を歩くときでも勉強をし、寝る時間以外は全部勉強に費やすような誰にも負けない努力の日々を、社会を変革せんとするこの熱い志の為に送っていたというのです。
孫正義さんは、米国の大学に在学していた頃に、教授などの他人を巻き込み、「音声機能付自動翻訳機」を創り出すことに成功しています。
これも孫正義さんが、志の高い熱い青年であったからこそ賢明な他人がチームに参画し、この「チームの力」でアイディアを形にすることができたと考えた方が良いでしょう。
では、賢明な他人があなたのチームに加わり、力を発揮してくれるような「志」とは、一体どのようなものでしょうか?
孫正義さんの言葉を借りるなら、志とは「個々人の願望を超えて多くの人々の夢を叶えようとする気概」であり、「厳しい未来への挑戦」なのです。
「夢」と「志」は一見して似ているのですが、筆者流に違いを表現するなら、「夢」はエゴとでも言うべき個人の願望でしかないのに対して、「志」は皆が団結して何らかの難事業に取り組む上で、心の支えにすべく共有する未来像なのです。
あなたがどれだけ優秀な人材であっても、一人で全てを成し遂げることはできません。賢明な他人を巻き込み力を合わせてこそ、画期的なプロジェクトを立ち上げ、アイディアを形にすることができるのです。そのためには「志」が必要です。
「志」は、サッカーのボールに似ています。チームの皆で追いかけ、パスで繋いで、ゴールまで持っていくのです。少年ジャンプ黄金時代の代表作「キャプテン翼」では「ボールは友達」でしたが「志」も「友達」です。見失わないように大切にしてください。
優秀な人材は、概して、賢明であり、その賢明な他人は、賢明であればあるほどに、自分の人生に課された使命を果たすべく、日々を真剣に生きています。
あなたが、もし、そんな賢明な他人を巻き込み、彼らの力を借りて、何かを成し遂げようというのなら、あなたは「夢」ではなく「志」を、そのプロジェクトにおけるリーダーとして、旗のように高く掲げなければなりません。
その掲げられた「志の旗」の下に、その「志」が描く未来像に共感する賢明な他人が集まることで、難事業を成し遂げるチームが成立するのです。
「夢」ではなく「志」を共有する仲間(同志)が増えれば、チームは更に発展していくことでしょう。なぜなら、幕末の志士たちがそうであったように、何時の時代も「夢」ではなく「志」のために生きる志士たちは、命懸けで理想の未来のために戦うからです。
同志たちの命懸けの働きは、あなたの描く理想の未来を現実に変える大きな力になるはずです。
成功のために、取り入れていただきたい二つ目のライフハック。それは・・・
「夢」ではなく「志」を掲げる。そして、「志」を共有したチームで物事に取り組む。
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