野球の日本代表「侍ジャパン」は、2009年のワールド・ベースボール・クラシックから始まりました。
また、梶原一騎さんが原作を手掛けたマンガ「侍ジャイアンツ」は、読売ジャイアンツV9時代の1971年に始まりました。
21世紀と20世紀、そして、現実とフィクションの違いこそありますが、この「侍ジャパン」と「侍ジャイアンツ」には、私達をワクワクさせる共通の要素があります。それは「サムライ」です。
「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」と言いますが、古くから日本人の価値観の根底には、この武士道の精神が流れています。
物事に対して、覚悟を決めて、命懸けで取り組み、道を追求する。そんな日本人ビジネスパーソンの大和魂は、焼け野原だった我が国を浮上させ、米国に次ぐ経済大国へと導いた原動力のひとつでもあるのです。
「侍ジャイアンツ」を始めとした、「スポ根」の作品は、今ではすっかり流行らなくなりました。
しかし、高度成長期の我が国では、真冬の飛騨高山の山中で過激な特訓に取り組み、努力と根性で魔球などの必殺技を編み出し、成長した主人公がライバルを打倒するような「スポ根」の物語が人気でした。
「欧米諸国に追いつき追い越せ」。
国中がこんな方向性を共有していたかつての我が国では、人々は「スポ根」の主人公が努力により道を切り拓き、勝利する姿に、自らと国の成長を重ねていたのかも知れません。
高度成長期の日本は、「侍ジャイアンツ」の主人公・番場蛮だけではなく、仕事に命を懸けるビジネスパーソンの一人一人が「サムライ」だったのです。
しかし、日本が経済大国になると、欧米諸国は追いつき追い越す対象ではなくなり、マハティール時代のマレーシアがルックイースト政策を掲げるなど、逆に日本が他の国々にとっての追いつき追い越すべき対象になりました。
優れていることは良いことです。
しかし、ON(王貞治選手と長嶋茂雄選手)を擁した読売ジャイアンツV9時代を舞台とする「侍ジャイアンツ」において、マンガのキャラの方の川上監督は最強のチームの中に足りない物を感じていました。
それは野性味です。
会社が成長し、大手になると、所謂、大企業病を発症する場合があります。余計な挑戦をして、現状の安定を損なわないために、職員たちが守りに入り、組織が非活性に陥るのです。
つまり、最強のチームであっても、安定的な強さ故に、選手たちが守りに入ると、組織が非活性に陥り、結果的に王座から転落する可能性があったのです。
だから、マンガのキャラの方の川上監督は、巨人を内側から破壊することを目指す野性味あふれる主人公・番場蛮を、組織を変革する型破りな「サムライ」として入団させたのです。
「侍ジャイアンツ」の連載が終了した頃、現実の方の読売ジャイアンツは、V10を逃し、その翌年にはチーム初の最下位に転落しています。
もし、あなたがアントレプレナー(起業家)として、5年後の生存率15%未満、10年後の生存率7%未満、20年後の生存率は1%未満という起業・独立の現実を乗り越え、長期間に渡って生き残ろうと考えるなら、会社を成長させ、最強の人材を揃えるだけでは足りません。
まず、あなた自身が物事に対して、覚悟を決めて、命懸けで取り組み、道を追求する型破りな「サムライ」であり続けてください。
国が豊かになって安定しても、皆が守りに入るあまり、社会が非活性に陥れば、経済大国の座から転落する可能性が高まります。だからこそ、日本を変革する「サムライ」として、アントレプレナー(起業家)であるあなたが挑戦し、日本を黄金の国にするのです。
近年、優秀な人材を抱える歴史ある名門企業が転落していくニュースが相次ぎました。あなたの事業が末永く生き残るためにも、創業の「チーム」を創る段階で「サムライ」を集めましょう。当サイトでも、日本を黄金の国にするサムライたちが出会う場所を作っていく予定です。
その上で、常に、新たな追いつき追い越すべき対象を求め続けましょう。
「侍ジャイアンツ」の主人公・番場蛮が憧れる女性・美波里香の言葉を引用するなら、「敵をもたぬ武将は滅びさる。 名将武田信玄のことばですわ。」、「今の番場くんには 愛するものなどより 憎むべきもの倒すべきものこそ必要なのです」 ということになります。
本当に武田信玄がこんなことを仰ったのかは分かりませんが、あなたが5年後の生存率15%未満、10年後の生存率7%未満、20年後の生存率は1%未満という起業・独立の現実を乗り越え、生き残る事業を創っていくアントレプレナー(起業家)を志すなら肝に銘じていただきたい言葉です。
近年の我が国を、大前研一さんは「低欲望社会」だと表現しておられます。他の国々にとっての追いつき追い越すべき対象になった日本の豊かさ故に、高度成長期のようにがっついて成長と成功を掴みに行く必要性が乏しくなったのです。
しかし、現状に満足し、「敵をもたぬ武将」に社会全体がなることは、実は「滅び」の始まりなのかも知れないのです。
ぜひ、そんな中にあっても、あなたは永続的な成長と成功を目指す「サムライ」として、常に新たな「敵」を求め続けてください。
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