帰ってきた・成功のためのライフハック~人生を使い切るテクニック~

皆さんは「明治生まれのコンピューター」をご存知でしょうか。

この「明治生まれのコンピューター」は、算数、国語、社会、何でもどんと来いで、英語も楽々でした。しかも、足腰はカクシャク、入れ歯はカクカク、そして、ABCが得意だったのです。

無論、明治時代(西暦1868年~1912年)にコンピューターなんてありません。

この「明治生まれのコンピューター」とは、1980年代にNHKの「みんなのうた」で放送されていた「コンピューターおばあちゃん」という歌に登場する「僕のおばあちゃん」のことなのです。

パーソナルコンピューター(パソコン)が、家庭にも少しずつ普及し始めたのが、ちょうどこの歌が放送されていた頃でした。

近年、インターネットGoogleなどの検索エンジンの発達もあって、家庭用のパソコンやスマホが、まるで「コンピューターおばあちゃん」のように、知りたいことを何でも教えてくれるようになりました。

しかし、黎明期のパソコン(NECの88やシャープのX1など)には、そんな便利な機能はありませんでした。敢えて言うなら、電波新聞社の「マイコンBASICマガジン」(通称:ベーマガ)に掲載されていたゲームのソースコードを参考にして、自分でプログラミングをすることが最大にして唯一の楽しみだったのです。

しかも、コードを書くのにも、記述を少しでも誤るとエラーが出てしまい、なかなか肝心のゲームが出来ないという、子供にはかなり酷な遊びでした。

何でも出来る近年のパソコンに慣れてしまうと、ついつい忘れてしまうのですが、コンピューターとは、仕事は速くて正確なのですが、元々は、言われた通り、決まった通りに動くだけの、まるで融通が効かない道具なのです。

では、皆さんは「昭和11年生まれのカンピューター」をご存知でしょうか。

この「昭和11年生まれのカンピューター」は、プロ野球選手として首位打者6回、本塁打王2回、打点王5回、最多安打10回、プロ野球の監督として日本一2回、リーグ優勝5回という抜群の成績を残しています。しかも、2013年には国民栄誉賞を受賞しているのです。

しかし、その一方で、一緒に野球観戦に出掛けた長男を野球場に忘れて自分だけ帰宅する、試合前の練習の出来に満足して試合に出ずに帰宅しようとする、ホームランを打ったのに塁を踏み忘れてホームランではなくなるなど、仕事の出来る人物には相応しくないエピソードが数多く知られています。

この「昭和11年生まれのカンピューター」とは、プロ野球・読売ジャイアンツの終身名誉監督の長嶋茂雄さんのことです。

また、長嶋さんは、気まぐれに他人のバットを無断で使ってホームランを打つ、電話の向こうで素振りをしている人物のスイングを見えているかのように指導するなど、天才であることを感じさせる「伝説」を数多く残しておられます。

やる気あふれるビジネスパーソンの皆さんに成功を志す上で考えていただきたいのが、成功は本当に今の努力の先にあるのか否かです。

地道に努力を続け、能力を磨き、速くて正確な仕事で業務上の目標をきっちり達成し、関係者とのコミュニケーションも良好というような、仕事が出来る方は沢山いらっしゃると思います。

しかし、それだけでは優秀なビジネスパーソンにはなれても、長嶋さんのようなオンリーワンのスーパースターにはなれないのです。

言い換えると、コンピューターのように速く正確に仕事をこなす能力があっても、カンピューターが無ければ、長嶋さんのようにはなれないということです。

天才と言えば、美術の世界にも、かつてオンリーワンのスターがいました。シュールレアリスムの代表的作家・サルバドール・ダリです。

独特の形状のヒゲをトレードマークにしていたダリは、確かな技術斬新な発想により、時計がとろけているような様子を描いた「記憶の固執」などの印象的な作品を数多く手掛けました。日常生活などでよく見かけるものでは、チュッパチャップスのロゴのデザインを手掛けた人物としても知られています。

しかし、この方もまた、紙と鉛筆を買うために魚屋を訪ねたり、講演会に潜水服を着て登壇して窒息しかけたり、頭上にフランスパンを載せて人前に登場したりと、歴史に名を残す仕事のできる人物にあるまじきエピソードを数多く残しているのです。

突出したオリジナリティを発揮した天才・ダリですが、読者の皆さんは、彼の残したエピソードから、何処と無く長嶋さんにも通じる「カンピューター」の要素をお感じにはなりませんでしょうか。

優れたカンピューターの持ち主が優れた創造性を発揮する可能性があるにしても、物事を実行に移していくには、優れた仲間が必要です。あなたの「チーム」を作り、新たなチャレンジに乗り出しましょう!

コンピューターの側から見ると、カンピューターの出す結論は凄く荒削りで危なっかしいものであり、仮に、成果をあげたとしても偶然の産物でしかないように思えてしまうことでしょう。

しかし、優れたカンピューターの持ち主が起業家(アントレプレナー)になった時、強烈なオリジナリティを発揮し、イノベーターになる可能性があるのです。

データを集め、分析し、アルゴリズムを適確に実行することはコンピューターの得意とするところですが、これは無から有を生み出すことではありません。データとは過去であり、アルゴリズムとは敷かれたレールなのです。創造とはこれらを打ち破る行為なのです。

さて、サルバドール・ダリは、普段は常識的な人物で、人前では天才を演じていたと言われています。一見して、おかしく思える幾つかのエピソードが、もし、敢えて、他人とは違う視点を持つため―自分のカンピューターを育てるため―の手段だったとしたら、皆さんはどうお考えになるでしょうか。

成功のために、取り入れていただきたい三つ目のライフハック。それは・・・

天才的な人物に学び、自分だけのカンピューターを意識して磨き、他人とは違う視点を身につける。

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