2001年まで存在した経済企画庁が「名実ともに世界の経済大国となったわが国は、欧米諸国と協力しつつ、自由貿易体制の堅持、発展途上国援助の拡充、国際通貨の安定等経済政策面での国際協調の推進等その経済力にふさわしい責任と指導力をもって、世界経済全体の運営に一層積極的に参加していかなければならない」としたのは昭和55年(1980年)のことでした。
激動の20世紀、昭和、そして、日本が大きく躍進した1980年代など、時代の区切り方はいろいろありますが、いずれにしても、これらは全て「今は昔」です。
歴史に学べと言いますが、人生を変え、成功を掴むためのヒントがこれらの古き良き時代にあるとしても、過去であるこれらの時代を、今を生きる若きビジネスパーソンが実体験として学ぶことは出来ません。しかしながら、過去の断片なら様々な方法で容易にかき集めることが出来ます。
「めぞん一刻」がヒットした後、各地に「めぞん一刻館」などの名称のアパートが建ちました。便乗商法にも思えますが好意的に捉えると、大家さんが「一刻館」のような人と人を繋ぐアパート経営を志し、作品へのオマージュを名前に込めたと見ることもできます。皆さんも成功を志すなら、多くの方々をインスパイアする優れたアウトプットを生み出しましょう。
1980年代が幕を開けた昭和55年(1980年)10月、小学館の「ビッグコミックスピリッツ」が創刊しました。漫画家・高橋留美子さんの代表作にしてラブコメディの名作「めぞん一刻」の第一話は「ビッグコミックスピリッツ」の創刊号に掲載されていました。
最高視聴率22.1%を叩き出すなどTVアニメも大人気だった「めぞん一刻」の舞台は1980年代の東京です。郊外の古いアパートとそこに暮らすちょっとおせっかいな住人たちの人間模様をたっぷり描いた作品です。
この作品の連載(放送)当時は、物語の舞台だけでなく、現実の方も1980年代の真っ最中でした。そのため「めぞん一刻」という作品には、作り手たちがリアルタイムに見たり、感じたりしていた1980年代の断片が幾つも埋め込まれています。
例えば、近年、健康志向の高まりなどから喫煙者が減少し、公共施設や飲食店では禁煙・分煙が進みました。公共の場ではタバコを吸える場所が限られるようになりましたが、「めぞん一刻」の登場人物たちは自宅、公共の場を問わず堂々とタバコを吸います。
他にも、ヒロイン・響子さんが暮らす管理人室の電話がダイヤル式の黒電話、外出中の連絡手段が10円玉を使うタイプの公衆電話、響子さんが使う洗濯機が二槽式、自販機で100円で買う缶飲料のプルタブが缶と完全に分離するタイプなど、実に様々な1980年代では一般的だった物事の描写が確認できます。
また、主人公の五代くんたちが暮らす「一刻館」のような木造風呂なしの年代物のアパートも、今ではすっかり見掛けなくなりました。
そして、何より「一刻館」の住人やその仲間たちとの濃密なつながりは、「無縁社会」という言葉が生まれ、人と人との関係が希薄になりつつある近年では、思い出の中の存在になりつつあるのかも知れません。
21世紀に入ってからは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのオンラインのコミュニケーションツールやスマートフォンなどの通信機器が発達し、時間的、地理的制約にとらわれないコミュニケーションが充実しました。
21世紀に入るとIT(情報技術)などが発達し、1980年代とは比べ物にならないくらい便利になりました。しかし、これは個人情報保護法の成立に象徴されるように、名前や住所などの情報を隠す時代の始まりでもあったのです。おかげで名簿や電話帳などを参考にしてお世話になった誰かに、お礼のハガキを出すなどのコミュニケーションが昔よりも難しくなりました。
かなりの数の現代の都会の生活者が、希薄な隣人との関係の中で生きている可能性があります。著名人では、元祖バイリンギャルだった山口美江さんが、51歳だった2012年に横浜の自宅で孤独死しました。著名人でも孤独死する社会。これが「無縁社会」です。
しかし、その一方で「無縁社会」という、1980年代には考えられなかった新たな問題が生まれています。
首都圏には2016年の時点で約3800万人もの人々が暮らしています。日本のおよそ3人に1人が住むこの地域では、およそ4人に1人が隣の住人が誰なのかを知らないと言われています。隣の住人を知っている場合でも、多くはコミュニケーションを全く取らないか、たまに挨拶をする程度で終わるそうです。
また、全国各地で核家族化どころか単身世帯化が進行中です。その背景には、夫婦のおよそ3組に1組が離婚し、男性のおよそ4人に1人、女性のおよそ7人に1人が未婚のまま生涯を終えるという現実があります。
そんな中で、一人暮らしの60歳以上の方々のうち約45%が、誰にも看取られずに住居などで死亡し、しばらくしてから発見される「孤独死」を他人事ではないと感じていると言います。
確かに、IT(情報技術)などが発達し、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション無しでもやっていける時代が到来したことは非常に良いことです。
また、ダイバーシティ(多様性)の考え方が広がり、差別や偏見などのしがらみに囚われず、能力を発揮し、自分らしいライフスタイルで、自由を謳歌できる社会になりつつあることは素晴らしいことです。
近年、顕著に見られるこれらの変化は1980年代には十分ではなかった点であり、今を生きる皆さんの人生にポジティブな影響を与えていることでしょう。
これに引き換え「無縁社会」はどちらかと言うとネガティブな変化ですが、視点を変えると、地縁、血縁などにも縛られなくて済むのですから、この手の「縁」が強く、様々な場面で影響を受けていた時代に比べ自由になったとも言えます。
しかし、人生100年時代を「無縁社会」で生きるとして、あなたは手に入れた100年という時間を使い切り、成功を収めることは出来るでしょうか。
1982年のノーベル文学賞作家・ガブリエル・ガルシア=マルケスの代表作と言えば「百年の孤独」です。人生100年時代を「無縁社会」で生き、孤独が100年続くとしたら、その状況はまさにこの表題の如しです。地縁、血縁などの旧い縁に囚われる必要はありませんが、100年という人生を使い切り、成功する為にも、時代にマッチした「縁」を求めて行動しましょう。
「人生100年時代」を「無縁社会」で生きる以上、誰にでも「百年の孤独」に陥る可能性があります。しかし、成功を志すなら時代の持つ負の側面に屈してはなりません。IT(情報技術)などの武器を駆使して、全国の「日本」という「同じ地元」の仲間たちとの濃密な繋がりを構築しましょう。当サイトでは、ネットワーキングを支援するツールを公開する予定です。
濃密なつながりの中で生きることは楽しいものですが、人間関係のメンテナンスは、あなたに多くの時間を求める可能性があります。逆に、つながりが希薄な「無縁社会」ならその心配は無用ですが、あなたはその分、孤独になりやすいのです。そして、その孤独は、下手をすると、100年続きます。
この100年続く孤独に名前を付けるなら「百年の孤独」です。そして、この「百年の孤独」は、今後「人生100年時代」ならではの新たな問題になりかねません。
やる気あふれるビジネスパーソンのあなたが、人生を使い切り、成功を掴む為には、孤独は敵です。なぜなら、あなた1人が持つ時間や能力には限界があります。成功を目指して一歩踏み出すにあたっては、あなたの志の旗の下に、可能な限り仲間を募ってください。
喩え、地縁、血縁などの旧い「縁」が希薄でも、コンピュータ(電脳)を始めとしたIT(情報技術)を武器に、日本全国に広がる「電縁」とでも言うべき、現代的な「縁」を繋いで行くことが出来るはずです。あなたの力でオリジナルの人間関係を築きましょう。
一刻一刻を100年分積み上げたものが、あなたの人生です。あなたの100年に、仲間たちの一刻を可能な限り繋いで、1人では困難な大きな仕事を、チームの力で成しと遂げましょう。
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