生き残りのアントレプレナーシップ~MBAでは分からない魂の話~

サンリオの人気キャラクター「キティちゃん」には、よく見ると口がありません。

そんな「キティちゃん」―本名はキティ・ホワイトという―は、1974年の誕生以来、40年以上の永きにわたって女児向け人気キャラクターの座を維持し続けています。

同じ頃に生まれた事業の多くが、5年後の生存率15%未満、10年後の生存率7%未満、20年後の生存率は1%未満という起業の現実に晒されて、既に跡形もなく消え去っているにも関わらず、「キティちゃん」は今もなお輝きを放っています。

このコラムをご覧のあなたが、もし、いつの日か起業・独立を果たし、起業家(アントレプレナー)として生き残ろうとお考えなのでしたら、この「キティちゃん」から学んでいただきたいことがあります。

それは、大切なことは口ではないと言うことです。

起業家(アントレプレナー)にとって大切なことは、「もっと、〇〇であるべきだ」というように、理想を口で唱えることではなく、理想をあなたの行動で実現していくことなのです。

「週刊少年ジャンプ」を日本中の少年が必修科目のようにして購読していた1980年代。この時代を代表する「週刊少年ジャンプ」連載作品の一つに、核戦争後の暴力が支配する荒廃した世界を一子相伝の拳法で救うヒーローを描いた作品がありました。皆さんご存知の原哲夫さん(原作・武論尊さん)の「北斗の拳」です。

主人公・ケンシロウは、どちらかと言うと寡黙な青年ですが、決して敵に背中を見せません。たとえ、どのような強敵が相手でも、必殺の北斗神拳を駆使して、その拳ひとつで悪党を倒し、人々を救うのです。そんなケンシロウを、劇中の人々は救世主と称えます。

一方で、やられ役のスキンヘッドやモヒカン刈りの悪党たちは、自分よりも弱い相手に対しては大言壮語し、まるでジャイアンの威を借りるスネ夫のように、自分よりも強い彼らのボス・拳王ラオウや聖帝サウザーなどの威を借りて、時に武器を使うなどして、女子供や老人をなぶるのです。

しかし、そんな彼らはケンシロウにかかれば、わずか数秒で「お前はもう死んでいる」と言われてしまい、その直後に、「ひでぶ」「あべし」「たわば」という断末魔の叫びとともに無残に飛び散るのです。

このケンシロウというキャラクターの魅力、そして、この物語の面白さってなんでしょうか?

もしも、ケンシロウが結構なおしゃべりで「人々を恐怖と暴力で支配しようとするラオウやサウザーは許せない!」、「自分は北斗神拳の使い手で強くて優秀なのだから、勝とうと思えばいつでもラオウやサウザーに勝てるんだ!」などと口で言うだけで、具体的には何もしない人物だったらどうでしょう?

そんなケンシロウが主人公なら、この「北斗の拳」という物語は、読み手にとっては全く面白くないのです。

起業家(アントレプレナー)になるということは、言わば、自分を主人公にした、これから描かれるゼロを1に変える物語の作者に、自らがなるということなのです。

主人公兼作者のあなたが、もし、「優秀な私が起業すれば、すぐに世界を変えられるはずだ!」みたいなことを口で言っているだけで、具体的な行動をまだ何も起こしていないのなら、その起業家(アントレプレナー)の物語は面白いか否かの前に、始まってすらいないと言えます。

起業家(アントレプレナー)は、社会にはびこる様々な課題と戦うヒーローです。理想の実現にむけて、力の限り戦いましょう!

つまり、起業家(アントレプレナー)として生き残るためには、主人公兼作者のあなたが、自分の力で、飛び切りに面白い物語を描かなければならないと言うことです。

なぜなら、面白くない物語には、誰も読者としてついて来てくれないからです。

だからこそ、あなたはあなたの前に立ちはだかる様々な敵に背中を見せること無く、理想の実現に向けて戦わなければならないのです。

ケンシロウで言うところの北斗神拳のような必殺技があなたに無いのなら、戦い方は徒手空拳でもいいのです。何より必要なのは、ゼロを1に変えるための具体的な行動です。

主人公として相応しい戦いを演じていくうちに、既に編まれた起業家(アントレプレナー)の物語の主人公たちがそうであったように、多少時間はかかるかも知れませんが、あなたの物語の読者は増えていくことでしょう。

また、アントレプレナーシップは知識ではありません。筋肉と同じで、使わなければ磨かれません。本だけで身につくことは無いのです。ぜひ、書を捨てて街に出ましょう。

具体的な行動を起こすにあたって、口が邪魔なら「キティちゃん」を見習って無くしてしまう。極端ですが、これくらいの勢いで、具体的な行動に出てみましょう。

このサイトでは、起業家(アントレプレナー)という職業で生き残る上で必要な心構えなどについても考察を深めて行きます。

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